テーマ:「科学技術・臨床工学の発展と将来展望」
【第1部】
日時:2019年6月1日(土)午後(15:40-18:00)

15:40-16:10
講師:道越 淳一(小倉記念病院 検査技師部 工学課)
題目:臨床工学から「医工連携」につなぐ臨床での基礎検討
概要:臨床工学技士は,医師の指示の下に,生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う事を業とする医療機器の専門医療職種で,機器管理,人工呼吸管理,補助循環,血液浄化など多岐に渡る業務を行っている.患者の補助となる機器ではあるが,管理が難しく治療に難渋する事もある.工学技士は,臨床で得た情報から検討を行い,機器と患者が最適な条件で治療が行えることを目標としている.そこで,臨床での問題点を証明する基礎的な研究から,医療機器開発に至るまでの報告を行う.

 

以下2件,第37回バイオレオロジー・リサーチ・フォーラム」と共催

16:15-17:05
講師:安田 隆(九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
題目:細胞解析デバイスで創薬・医療に貢献する
概要:半導体加工技術により,多数の微小孔をアレイ状に配したSiN製の透明な自立膜を形成した.このSiN多孔膜の両面にニューロンとアストロサイトを共培養し,微小孔アレイを通じた細胞間コミュニケーションを可能とすることで,単一ニューロンの長期培養技術を実現した.さらに,SiN多孔膜上に微小電極アレイを形成し,ニューロンネットワークの多点電位計測を可能とした.これらのデバイス技術を,神経疾患治療薬の薬効評価などに役立てたい.

17:10-18:00
講師:玉川 雅章(九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
題目:せん断流れにおける人工壁面での血栓形成の可視化とその予測方法について
概要:人工心臓や血液デバイスで問題となる人工壁面での血栓形成について,特に,単純せん段流れやはく離再付着をともなうせん断流れにおいての血栓形成を捉えるためのレーザーシート等の光学的手法による血栓形成の可視化について述べる.また,流れ場,血液凝固に関するタンパク質などの化学種の濃度場さらにはその中での血小板などの凝集を考慮したCFD解析を行い,壁面での濃度場を計算した血栓予測方法についても述べる.

 

【第2部】

テーマ:「科学技術・臨床工学の発展と将来展望」
日時:2019年6月2日(日)午前(10:20-12:00)

10:20-10:50

講師:井桁 洋貴(飯塚病院 臨床工学部)
題目:デバイス開発における臨床工学技士の可能性
概要:近年盛んに行われるようになった医工連携であるが,専門コーディネータの不足や医療における特殊な環境などから,さまざまな課題を抱えている.医療機器の保守・管理に留まらず,操作までをも行う臨床工学技士は,医療機器の専門家として医工連携分野においてもその活躍が期待されている.本講演では医工連携における課題に触れ,医工連携において期待される臨床工学技士の役割や今後の可能性について述べる.

 

10:55-11:25
講師:川原 知洋(九州工業大学大学院生命体工学研究科)
題目:ニワトリ胚を用いたマイクロ循環器エンジニアリング
概要:ニワトリ胚は動物実験の制約が小さく,安価で,黄身で育つといった利点があるが,卵殻により観察性・操作性に問題が生じる.そこで我々は,胚をキューブ型の透明人工殻内で培養しながら,自在な観察と操作が行なえるプラットホーム(Egg-in-Cube)を開発してきた.本発表では,機能化した人工殻にロボット技術を積極的に導入し,微小循環器系を長期的に維持しながら,実際の血管や血液を用いて様々な試験を行う取り組みについてご紹介する.

 

11:30-12:00
講師:高嶋 一登(九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
題目:細長い柔軟な医療機器の動作解析―血管内治療への応用―
概要:細長い柔軟な医療機器を用いた低侵襲な治療・診断法は広く普及している.その医療機器の体内での動作を解析することは,安全性向上,治療効果改善のために有用である.そのため,我々は,PCを用いた数値計算と実体血管モデルを用いた実験を統合し,ガイドワイヤ,カテーテル,コイルなどの血管内治療デバイスの留置過程を定量的に評価するシミュレータを開発してきた.本講演では,シミュレータと動作解析例について紹介する.